古民家をリノベーションした自宅で結婚式!?古き良き日本の伝統的な祝言をオリジナルウエディングにアレンジ
みなさんは結婚式を挙げるとなるとどこを思い浮かべますか?ホテル、ゲストハウス、専門式場、レストラン…結婚式の場所は今とっても多彩だから自由に選ぶことができます。でも“オリジナルウエディング”は、場所を選びません。もしも自分たちにぴったりだと思う場所が「自宅」なら、自宅で結婚式を挙げてもOK!
そこで今回は、古民家を自分たちの手でリノベーションして手作りウエディングを実現した、プロデュース会社「HAKU」の事例をご紹介します。結婚式をする場所の視野をもっと広げられるような、それでいて日本の伝統を感じられる素敵なウエディング、必見ですよ。
(取材:gensen wedding 編集部/文:Miki.N)
目次
出典:gensen wedding | HAKU
1.古き良き日本の伝統的な結婚式を自分たちに合ったスタイルに
みなさんは、「祝言(しゅうげん)」がどんな結婚式のことかわかりますか?祝言とは、神様に誓う神前式ではなく、人前式。古き良き日本の伝統的な結婚式のことです。もともと日本では、花嫁は自分の生まれ育った家で支度をし、新郎の待つ家で祝言を挙げ、家と家を結んでいました。
そんな祝言をオリジナルウエディングにアレンジしたのが、今回の事例「ケの日ハレの日」。ケ(褻)は普段の生活である「日常」を、ハレ(晴れ、霽れ)は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」を意味します。つまり、365日過ごす家で特別なこと=結婚式を、というコンセプトなのです。
結婚式当日は、室内で約40名の親族が着席スタイルのパーティを、屋外では約40名のゲストが立席スタイルのパーティを同時におこなうという、独特のスタイルで進められました。総勢約80名という大人数の結婚式、しかも自宅でおこなうのは珍しいですよね!室内の親族席では「祝言」にならった厳粛なお披露目に。また、友人や職場の仲間、ご近所の方々は屋外で自由にカジュアルに、会話や写真撮影を楽しんでいて、どちらもとっても素敵なウエディングが同時に実現したのです。
出典:gensen wedding | HAKU
また、結婚式当日は新婦さんの誕生日。こういう場合は新郎のサプライズとしてバースデーケーキを用意することが多いですが、肝心の新郎さんは、普段まったくサプライズなんてしないタイプの男性でした。ところが、新郎さんみずからバースデーケーキを運んだりと、ちょっとした奇跡も起こったのです。いったい新郎さんにどんな心の変化があったのでしょうか?それは、HAKUのウエディングのつくり方に共感したのがきっかけでした。
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2.本当に伝えたいものって?ヒアリングからオリジナルウエディングのヒントを見つける
HAKUに相談に訪れた当初のふたりは、「レストランウエディングでこじんまり」という漠然としたイメージだったそうで、そもそも新郎さんは結婚式に無関心な様子でした。そこで、HAKUはどんな想いでウエディングのプロデュースをしているのかを伝え、それに基づいて2時間ほどヒアリングしたところ、次第にHAKUの想いに共感してくれたそう。そこで新郎さんがポツリとこんなことを言いました。
「実は最近、家を買いまして。自宅で結婚式がしたいんです」
ふたりの想いが引き出された瞬間でした。このお話を聞いた取材チームは、ヒアリングで心の扉を開くこと、そこから本当にしたいことをプロに引き出してもらうことは、とても大事なプロセスだなあとあらためて実感しました。
「想いを伝える」をコンセプトにプロデュースをしているHAKUでは、想いという抽象的なものをカタチにするため、ヒアリングに力をいれています。カップルが結婚式でゲストになにを伝えたいのか、どんなビジョンを描いて結婚生活を送っていくのかまでを視野に入れてふたりの価値観を引き出し、ふたりに合った会場とコーディネートを提案してくれるのです。
なによりも「自分で選んだ・決めた」というプロセスがあることは、カップル自身が「これが自分たちのオリジナルウエディング」と思える大事なポイントになり、結婚式当日を迎えるまでの気持ちや準備に大きく影響してくるはずです。
出典:gensen wedding | HAKU
3.古民家という会場を活かしたアットホームな手作りウエディング
「自宅で結婚式がしたい」というふたりの想いが引き出せたことによって、結婚式のプランニングが一気に動き出しました。“オリジナルウエディング”と言葉にするのは簡単ですが、実際には、会場や結婚式当日やりたいこと、装飾をどうするのかなどによって、準備しなければならないことも大きく変わってきます。
今回の事例は、まさにこれから古民家をリノベーションするという手つかずの段階でした。つまり、家そのものを自分たちの家のカタチにするところから始めたのです。準備はひと冬をかけ、プロデュースしているHAKUはもちろん、主役のふたり、そして近所の方にも手伝ってもらい進め、春には結婚式が挙げられるまでになりました。
こだわりは「古民家に置かれていたものを使ってコーディネートする」こと。前日の夜からHAKUのスタッフも総出で現地入りしたそう。たとえば、古民家にあった板にゲストにメッセージを書いてもらい寄せ書きにしています。このあたりはプロのアイデアが光りますね。プロだけでつくり上げる結婚式はクオリティが高いという魅力がありますが、手作りウエディングは「みんなでつくった」という想いが湧きあがり、新郎新婦や周りの人と、その想いをシェアできるという喜びがあります。主役だけではなく、周りの人にとっても特別な体験になったのではないでしょうか。
出典:gensen wedding | HAKU
4.まとめ
いかがでしたか?オリジナルウエディングのなかにも日本の伝統を取り入れ、アットホームに仕上げた結婚式。取り組みは新しいのに、なんだか昔ながらの人と人のつながりを感じる、心温まる結婚式ですよね。
出典:gensen wedding | HAKU