プロテスタントとカトリックの違いって?キリスト教式の挙式を徹底解説

バージンロードのある厳かな雰囲気の教会で神に永遠の愛を誓う――。結婚式に対してそんなイメージをお持ちの方も多いではないでしょうか?
そんな代表的なイメージである「キリスト教式の挙式」。しかし、キリスト教には主に2つの宗派があり、それぞれ挙式のマナーやルールが異なります。
この記事では、カトリックとプロテスタント、それぞれの宗派における結婚式のマナーの違いや、キリスト教式の挙式について詳しく解説します!(文:三島莉永)

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教会

1. 誰でも挙式できるわけじゃない!?知っておきたい宗派の違いと挙式の意味

結婚式といえば、バージンロードがある荘厳な雰囲気の教会で愛を誓う様子をイメージされる方も多いのではないでしょうか?
上記の挙式スタイルは、日本でも人気の高い“キリスト教式”と呼ばれるもの。
教会にてキリスト教のしきたりに則り、神に結婚を誓うスタイルの結婚式です。

もしキリスト教式を希望されるなら、まず気を付けたいのはキリスト教の宗派について。
キリスト教は大きく分けて、カトリックとプロテスタントの2つの宗派に分かれており、それぞれ概要や結婚式に関するルールなども違います。

カトリックは新郎新婦のどちらか一方が信徒でないと挙式を挙げることができないので注意が必要です。
一方プロテスタント式は、信徒以外でも教会にて挙式を挙げることが可能。街の教会はもちろん、ホテルや結婚式場にあるチャペルに牧師を迎えれば誰でも挙式を行なえます。

次に、カトリックとプロテスタントの結婚式のマナーやルールについて詳しくご紹介します。
「キリスト教式の結婚式にしたい」と考えている方は特に必見です!

ウエディング

2. カトリックの挙式について

まずは、カトリックの挙式について説明いたします。

そもそもカトリック教会とは、キリスト教の最高位聖職者ローマ教皇(法王)と中心とした最大宗派。
全世界に約12億人以上の信徒がいるとされています。

同じキリスト教でもカトリックとプロテスタントでは、信仰のスタイルや規則、教会のつくりが異なります。
これは信仰だけでなく、結婚式に関するマナーやルールにも関連しますので、キリスト教の式にしたい方は以下の項目をチェックしておきましょう。

2-1. 挙式できる場所

カトリックの場合は、カトリック教会にて結婚式を挙げます。
カトリックの教会の最大の特徴は、祭壇の十字架にキリストがはりつけられていること。
内装は豪華なところが多く、絵画や偶像が飾られています。

また、カトリックの教会はバージンロードが「深い愛情」を意味する深紅か、「希望」を意味する緑色なのも特徴的です。
教会のつくりによって、雰囲気づくりやドレス姿の映え方も変わるので注意しましょう。

2-2. 挙式できる人

カトリックの教会は、新郎新婦のどちらかがカトリックの信徒でなければ結婚式を挙げられないことがほとんどです。

また、カトリックは伝統を重んじる規律が厳しい宗派のため、離婚を認めていません。
カトリック式の結婚式を挙げられるのは“初婚”の方のみ。死別以外の理由で再婚の挙式を行なうことはできません。

2-3. 事前講習の期間

カトリック教会で挙式するためには、事前講習を受ける必要があります。

講習は一般的に土日のどちらかに行なわれることが多く、回数は1回で済ませるところもあれば、数回に分けて行なうところもあるので、事前に確認しておきましょう。

講習の内容は、主に“宗派”に関する理解を深めたり、“結婚”や“夫婦とはどんなものなのか”について学んだりします。
「事前に講習を通して結婚や夫婦になることへの意識を深めていたため、結婚式当日にとても感動できた!」という方も多いとか。

結婚式前は準備することが多く忙しい期間ですが、より思い出深い結婚式にするためにもしっかり講習を受けましょう。

2-4. 挙式費用

キリスト教式の結婚式を挙げる場合は、教会に払う費用を“献金”と呼びます。
教会にとって結婚式はビジネスではないため、結婚式に関するお金は信者が自発的に捧げるお金と考えられています。

自発的に捧げるものなので、教会によっては明確な金額を設定・公開していないところもありますが、一般的な相場は約10~20万円程度。
こちらの金額には一般的に教会の使用料や花・キャンドル代、聖歌隊代などが含まれていますが、念のため何が含まれているのかを確認しておくと安心です。

もし不安なときは、担当者に「どのくらい献金した方がよろしいでしょうか?」と直接質問してみるのも良いでしょう。

2-5. 衣装のルール

教会で結婚式を挙げる場合は、基本的に肌の露出が控えめな衣装が望ましいとされています。
中には、肩の見えるデザインのドレスはNGという教会もあります。ドレス選びの前に、教会へ衣装に関するルールを確認しておきましょう。

ゲストの服装に関しても露出が控えめな衣装が望ましいとされているため、事前にその旨を伝えておくと親切です。
肩が出てしまう衣装の場合は、肌を隠すためのストールを持参していただくよう事前にお願いしておきましょう。

ウエディング

3. プロテスタントの挙式について

続いて、プロテスタントの挙式について紹介します。

そもそもプロテスタント教会とは、中世の宗教改革にてカトリック教から分離して生まれた宗派。
そのため、考え方やしきたりなども異なります。
伝統を重んじるカトリックと比べると、柔軟で自由なのが特徴です。
中には、カトリックではNGなことがプロテスタントでは認められていたりすることもあります。

3-1. 挙式できる場所

プロテスタントの場合は、プロテスタント教会にて結婚式を挙げます。
プロテスタントの教会の最大の特徴は、祭壇の十字架がシンプルであること。十字架にキリストは貼り付けられていません。
内装は簡素なつくりで、絵画や偶像が置かれていないところがほとんどです。
プロテスタントの教会のバージンロードの色は、清楚な白。豪華なカトリックの教会と比べて、洗練された雰囲気になっています。

プロテスタントの場合、ホテルやゲストハウスなど結婚式場にあるチャペルにて挙式を行うことができるのも大きな特徴。
礼拝を行なう場所でなくても、牧師を迎えれば挙式を行なえます。

3-2. 挙式できる人

プロテスタントの教会では、キリスト教信者でなくても結婚式を挙げられるケースが多いです。
カトリックの場合は死別以外の理由で再婚の結婚式を挙げることはできませんが、プロテスタントは離婚理由など状況によっては再婚の結婚式も行なえます。

しかし、会場によっては礼拝や講習会に参加する必要があります。
一概には言えませんが、街の教会は礼拝や講習会への参加を推奨されることが多いです。
一方結婚式場のチャペルは礼拝や講習会への参加を推奨していることは比較的少ないですが、最近では挙式を行なう意味を理解することを大切にしていたり、専属牧師がいたりする式場もあります。
そういった式場では、事前講習や牧師によるカウンセリングを受けられるようになっています。

3-3. 事前講習の期間

上記でご説明した通り、結婚式場のチャペルで挙式する場合は講習を受ける必要がないことがほとんどです。しかし、講習会を行なっている式場もあるので、不安な場合は事前に講習会があるかどうか問い合わせておくといいでしょう。

講習会で学ぶ内容は、結婚することの意味や夫婦について。なかなか結婚や夫婦の在り方について考える機会はないものなので、「キリスト教式の挙式を行なうのを機に、結婚についての理解が深まった!」というカップルも多くいます。
受講する期間や回数は教会によって異なりますが、結婚式場のチャペルの場合は1回のみのところが多いです。

3-4. 挙式費用

挙式費用に関しては、基本的にカトリックと考え方は同じ。自ら差し出す献金というスタイルとなりますので、明確な挙式の金額を設定・公開していない教会もあります。

街のプロテスタントの教会で挙式を行なう場合は、一般的な相場はカトリックと同様に約10~20万円程度です。
しかし、ホテルやゲストハウスなど結婚式場のチャペルで挙式を行なう場合は、結婚式全体の費用の中に挙式費用が含まれています。

3-5. 衣装のルール

衣装についても、基本的なルールはカトリックと同じです。
街のプロテスタントの教会で挙式を行なう場合は、新郎新婦もゲストの服装も肌の露出が控えめな衣装が望ましいです。

結婚式場のチャペルは衣装に関するルールが緩やかなところが多いですが、あまりラフ過ぎる服装はマナー違反。極度に肌を露出するのは避けましょう。

挙式

4. 挙式前に確認!結婚式に参列してくれるゲストにお願いしたいこと

冒頭でも解説したとおり、結婚式には様々なスタイルがあります。
ゲストの中にはキリスト教式の結婚式に初めて参加されるという方もいらっしゃるかもしれません。
キリスト教式の結婚式を挙げる際には、ゲストに対してもマナーについて事前にお願いしておきたいことがあります。

■肌の露出を避ける
前項でもご紹介した通り、キリスト教式の結婚式では控えめな服装が好ましいとされています。
肩の出ないデザインのドレスを着てきてもらうように頼んだり、肩が出てしまうデザインの場合は肌を隠すためのストールを持参してもらうようにお願いしましょう。

■バージンロードを踏まない
欧米では昔、教会の床下に悪魔が潜んでいると考えられていたため、教会の床に布を敷いくことで花嫁を悪魔から守っていたという言い伝えがあります。
このように教会のバージンロードには結婚式において特別な意味があるため、ゲストは立ち入らないのがマナーです。
ゲストには事前にバージンロードへ立ち入らないようにお願いしておきましょう。

■写真撮影は控える・しない
教会によっては、写真や動画の撮影ができない場合もあります。
撮影できる場合も、「決められた場所のみ」「プロのカメラマンのみ」など、撮影できる場所や人が決められているというケースもあるので、事前に確認のうえゲストに伝えておくことが必要です。

結婚式前には自分たちの準備だけでなく、ゲストに対する配慮も忘れずに行ないましょう。

大聖堂

5. まとめ│深い意味が込められたキリスト教の挙式。二人に最適なスタイルを見つけよう

ご紹介したように、キリスト教式の結婚式は宗派によってそれぞれルールが異なります。
カトリック教会は新郎新婦のどちらかが信徒であることや事前講習を受けることが挙式の条件ですが、プロテスタントの場合は信徒でなくても講習を受けなくても挙式が可能です。

しかし、新郎新婦に関することだけでなく、服装や写真撮影などゲストに事前にお願いしなくてはならないこともあるので注意しましょう。

事前講習を受ける教会の場合、講習では結婚の意味やこれから夫婦として生きていくことについて学びます。
事前に結婚や夫婦関係について学んでおけば、結婚式当日に感じる想いもひとしお。より思い出に残る素敵な結婚式になることでしょう。

これから結婚式を挙げる予定だという方は、今一度挙式の意味について二人でよく話し合い、二人にとってベストな挙式のスタイルを見つけてみてくださいね!

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