【プランナーが教える】結婚式の参列マナー06.友人代表スピーチのコツとシミュレーション法
ウエディングプランナーが運営する結婚式場相談カウンター「gensen wedding」監修、結婚式の参列マナー特集。今回は、結婚式で友人代表としてスピーチを依頼された人に向けて、スピーチ原稿の作り方やコツ、スピーチのシミュレーション法をご紹介します。(文:gensen wedding 編集部)
目次
1.結婚式のスピーチ原稿を作る4つの構成
結婚式のスピーチを依頼されると嬉しい反面、緊張や不安が押し寄せてきますよね。そんな「緊張」と「不安」を払拭する唯一の方法は、しっかり準備すること!
備えあれば憂いなし。友人代表として素晴らしいスピーチを成功させるために、今から準備を始めましょう。
結婚式のスピーチの持ち時間は約3〜4分。持ち時間に収まるように、自己紹介・お祝いと御礼・新郎新婦とのエピソード・結び、これら4項目でスピーチ原稿を構成すると、間延びしたスピーチにならないはず!
1つ1つ見ていきましょう。
1-1. 自己紹介
あなたと新郎または新婦との関係を簡単に自己紹介します。司会者から紹介はされますが、スピーチの冒頭で改めて自己紹介をするのはどんなスピーチにおいても共通のルールです。
例:「ただいまご紹介に預かりました新婦○○さんの勤務先の同僚で、●●と申します」
1-2. お祝いと御礼
次に結婚のお祝いを述べ、招待いただいたことへの御礼を伝えます。お祝いの言葉は新郎と新婦だけではなく、両家に対してもかけることをお忘れなく。
例:「○○さん、△△さん、ご両家の皆様、この度は誠におめでとうございます。このように素晴らしい席にお招きいただき、心より御礼申し上げます」
*新郎新婦と両家ご両親は起立していますので、ここで必ず着席をすすめます
1-3. 新郎新婦とのエピソード
ここがスピーチの山場。ゲストと両家の皆様はあなたのスピーチによって、新郎と新婦のことをもっとよく知りたい!と思って聞いています。
実際にあったエピソードを盛り込んで、けれど決して内輪ネタにならないように、臨場感たっぷりに話しましょう。
*具体的な方法はこのあと解説します
1-4. 結び
ラストは新郎新婦にはなむけの言葉を、両家の皆様にお祝いを述べて、スピーチの結びとします。
例:「○○さん、△△さん、今日から二人で力を合わせて、温かい家庭を築いていってください。ご両家の皆様、本日は誠におめでとうございます」
2. 思わず引き込まれるスピーチのコツ
結婚式の友人スピーチは上記の4項目で構成しますが、その中で山場となるのが3番目の「新郎新婦とのエピソード」。ここでゲストが思わず引き込まれるようなスピーチのコツを見ていきましょう。
2-1. 最初にテーマを伝える
新郎新婦とのエピソードを話し始める前に、これからどんな話をするのか「テーマ」を伝えます。テーマとは、記事のタイトルや新聞の見出しのようなもので、テーマが知らされているかどうかによって聞き手の関心度がちがってきます。
例:「本日はお集まりの皆様に、新婦○○さんが新入社員だった頃に、先輩や上司をびっくりさせた武勇伝を紹介します」
2-2. テーマに沿って実際のエピソードを話す
テーマに沿ってさえいれば複数のエピソードを紹介するのもアリですが、逆に、テーマがたくさんありすぎると聞くほうは疲れてしまいます。
あなたと新郎または新婦との関係性に合わせて、テーマを1つに絞りましょう。
《結婚式の友人スピーチのテーマ例》
●職場の同僚の場合:新入社員時代の思い出、取引先の評判、飲み会など社内行事でのエピソード など
●学生時代の友人の場合:ボランティア活動の思い出、部活で一緒にがんばって入賞した時のエピソード、卒業旅行で海外に行った時のこと など
●新郎新婦の共通の友人の場合:新郎と新婦が出会った時のエピソード など
2-3. 効果的なフレーズを入れて聞き手を集中させる
テーマに沿ったエピソードを話していく中で、ここはとくに聞いてほしい!という話の前にはぜひ、効果的なフレーズを入れてみましょう。話にメリハリがついて、聞き手がスピーチに集中しやすくなります。
例:「入社後すぐに新人研修があって、私たちは大勢の先輩や上司の前で自己紹介をすることになりました。そこで新婦○○さんが、何をしたと思いますか?実は・・・」
効果的なフレーズは乱発するのではなく、ここは!という箇所にだけ使うのが◎ですよ。
3. プランナー直伝!結婚式スピーチのタブー
普段は何気なく使っている言葉でも、結婚式では言ってはいけない言葉や、触れてはいけない話題があります。
ここからは、結婚式スピーチのタブーについてご紹介します。スピーチ原稿ができたら一度、タブーに触れていないかどうかチェックしてくださいね。
3-1. 忌み言葉
結婚式では、別れや不幸を連想させる言葉を使うのはタブーです。
例:切る、欠ける、壊れる、割れる、破れる、終わる、去る、失う、途絶える、戻る、消える、閉じる、逃げる、別れる、冷める、倒れる、死ぬ…など
3-2. 重ね言葉
再婚を連想させる重ね言葉を使うのもタブーです。
例:ますます、くれぐれも、たびたび、しばしば、いろいろ、二度三度、重々、再々、皆々様…など
3-3. NGな話題
いくら親しい間柄であっても、また、盛り上げるために…と披露したいエピソードでも、次のような話題は結婚式にふさわしくありません。新郎新婦のみならず、誰かを不快にさせる恐れがある話題は避けましょう。
●苦労・失敗談
●下ネタ・過去の恋愛話
●年齢や身体の特徴に触れること
●政治・宗教の話題
●出産を促すような発言
4. シミュレーションしてみよう
スピーチ原稿が一通り完成したら、結婚式当日の流れに沿ってシミュレーションしてみることをおすすめします。
まずは原稿を声に出して読んでみることから。これをやるとやらないとでは、スピーチ原稿の完成度が大きく違ってきます。
4-1. 原稿を声に出して読む・動画を撮ってみる
実際に声に出して原稿を読んでみると、リズムが良くないとか、長すぎて一気に話せないなど、自分で違和感を感じることがあります。違和感を感じた箇所は修正が必要。ただちにスピーチ原稿を直しましょう。
また、動画を撮ってみるのもおすすめです。
スピーチする時は手元のメモを朗読するよりも、会場のゲストのほうを向いて話すほうが何倍も素敵なスピーチになります。
画面に映る自分のスピーチを客観的にチェックしてみましょう。持ち時間以内にスピーチが収まるかどうかのチェックもお忘れなく!
4-2. 結婚式当日のスピーチの流れに沿って練習する
スピーチ原稿がある程度完成したら、結婚式当日の流れに沿って練習してみましょう。
《結婚式当日のスピーチの流れ》
司会者より紹介される
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席を立ってその場で一礼する
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式場スタッフの誘導に従ってマイクの前へ
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マイクの前で一礼し、スピーチを始める
*自己紹介とお祝い・御礼の言葉の後に必ず、新郎新婦と両家に向かい「どうぞご着席ください」と声をかける
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スピーチ終了。ゲストに向かって一礼、新郎新婦と両家に一礼する
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自分の席に座る前に軽く一礼する
5. まとめ
友人代表として結婚式でスピーチをするための、スピーチ原稿の作り方・コツ、タブー、シミュレーション法をご紹介しました。
・結婚式のスピーチは4つの項目で構成する
・テーマを決めて、効果的なフレーズを使うと◎
・タブーな言葉や話題に気をつける
・実際にシミュレーションしておくことが大切
上記のポイントに沿って準備をしておけば、結婚式当日は自信をもってマイクの前に立てるはず!新郎新婦と両家の親御さまに喜んでいただけるよう、がんばってくださいね。